転職活動の進め方

転職エージェントを利用するメリットとデメリット

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初めての転職活動では、転職エージェントを使ったほうがよいのか、転職サイトや企業のWebページから直接応募するのではダメなのか、疑問に考える人が多いのではないでしょうか。私の初めての転職活動では、転職エージェントを使いましたが、当日の私のステータスと転職エージェントが合わず、その結果、転職先を見つけることはできませんでした。

本記事では、私の失敗体験をもとに、転職エージェントを利用するメリットとデメリットをまとめます。転職エージェントを利用するデメリット・注意点は特に掘り下げますので、転職エージェントの利用を検討している人は、私と同じ轍を踏まないための参考にしてください。

転職エージェントは求職者の味方です

誤解を招かないために言うと、転職エージェントは求職者の味方です。敵ではありません。SNS等を見ていると、「転職エージェントに変な会社しか紹介されない」などネガティブな意見を目にすることがあります。確かに、転職エージェントが求職者の条件に合わない求人を紹介してくることがあるのは事実かもしれませんが、転職エージェントに悪意はありません。なぜなら、転職エージェントの目的は、求職者が納得する転職を実現することであり、その実現によって初めて報酬を得ているためです。

「転職エージェントは求職者が企業に入社したら報酬を得られるから、入りやすい会社しか紹介してこないんだ」という考えは、誤りです。通常、転職エージェントは求人企業に対して、返金保証をしており、転職者が早期離職をしてしまった場合は、報酬を返還する義務を負っています。つまり、求職者にミスマッチな求人を紹介しても、転職エージェントの収益にはつながらないのです。

「転職エージェントが私に合わない求人ばかりを紹介してくる…」こんな場合は、以下の可能性を疑い、転職エージェントと腹を割って話すことをおすすめします。

  • 転職エージェントとのコミュニケーションが不十分で、あなたのやりたいことやキャリアプランを伝えきれていない
  • あなたの条件に合う求人を転職エージェント側で保有していない(とはいえ「求人が無い」とも言えないから、なんとか合いそうな求人を紹介している)
  • あなたの経験やスキルに合う求人がない(あなたの条件に合う求人を転職エージェント側で保有していても、それをあなたに紹介するとは限りません)

転職エージェントを利用するメリット

転職エージェントを利用するメリットは大きく5つあります。

自分の希望に合う求人に出会える可能性が上がる

転職エージェントを利用することで、自分の希望に合う求人に出会いやすくなります。なぜなら、転職エージェントは、企業のWebサイトや転職サイトで一般公開されていない求人(「非公開求人」といいます)を扱っているためです。

非公開求人には、転職エージェントを利用しないかぎり出会えません。非公開求人の件数は多く、転職エージェントが扱う求人の半分以上を占めています。多くの求人に出会えるということは、その分自分の希望に合う求人に出会う可能性も上がるでしょう。ただ、非公開求人は、転職エージェントを利用すると必ず紹介されるわけではなく、特定の条件(学歴や職歴など)をクリアした人にしか紹介されません。

書類選考が通りやすくなる

転職エージェントを利用することで、書類選考が通りやすくなります。理由は以下の2点です。

履歴書と職務経歴書の完成度が上がるから
転職エージェントに履歴書・職務経歴書を添削してもらえます。初めての転職活動では、書類作成の勘所がないと思いますので、添削は必ず受けたほうがよいです。

求職者を推薦してくれるから
応募企業に対して、転職エージェントが求職者の推薦状を書いてくれます。推薦状には、求職者の強みや人柄、転職理由などがまとめられます。応募書類だけでは伝わらない求職者の情報をアピールできます。

筆者から一言

私の初めての転職活動では、履歴書・職務経歴書の添削サービスには、かなりお世話になりました。当時の私は、書類作成に謎の自信があり、独力で作成した履歴書・職務経歴書の完成度にも自信を持っていたのですが、転職エージェントの添削を受けてみたところ、かなりズタボロにされました。結果的に、書類選考で落とされることはほとんど無いレベルになりました。

面接の通過率が上がる

転職エージェントを利用することで、面接が通りやすくなります。理由は以下の2点です。

応募企業の内部情報を事前に入手できるから
「応募企業の面接では何が重視されているのか」「どんな質問がされやすいか」など、応募企業の内部情報を面接前に転職エージェントから聞くことができます。その情報をもとに面接の準備をできるので、面接の場で面食らうことが減ります。

面接対策セミナーや模擬面接を受けられるから
転職エージェントによっては、面接対策セミナーや模擬面接を受けられます。面接マナーがわからない人や、どんな流れで面接が進むのか事前に知っておきたい人は、これらを受けておくと、本番の面接での緊張感が和らぐでしょう。

筆者から一言

転職活動において、応募企業の内部情報を一次面接前に入手できるのは、めちゃくちゃありがたいです。転職サイトやコーポレートサイトからの直接応募では、ほぼ得られない情報なので、転職エージェントを利用するメリットのなかでも、とりわけ大きい要素だと思います。

面接対策セミナーや模擬面接は受けたことがないので、詳細は分かりません(私はぶっつけ本番で叩き上げたいタイプだったので)。ただ、いつも予約は埋まっていたので、求職者に人気があるのは間違いないです。

選考手続きをすべて代行してくれる

転職エージェントを利用することで、選考手続きをすべて代行してもらえるので、転職活動の負担が減ります。求人へのエントリー・選考書類の提出・面接の日程調整・給与交渉・面接/内定辞退など、なんでも代行してもらえます。

独力で転職活動する場合、選考書類の送り方やメールマナーなども気にする必要がありますが、転職エージェントを使う場合は、このあたり気にする必要がありません。選考書類のブラッシュアップ・面接の準備など、選考だけに集中することができます。

筆者から一言

私は何でも自分でやりたいタイプなので、正直、このサービスに魅力は感じませんでした。ただ、普段の仕事で外部の顧客とやり取りする機会がない人にとっては、ありがたいサービスだと思います。このような人はメール作法などのビジネスマナーから勉強しなくてはならないので、選考だけに集中できないですし、また、あまりにもビジネスマナーがないと判断されると、選考前にマイナス評価を受けてしまうことがあるためです。

無料で利用できる

転職エージェントの利用に一切お金がかからないのも大きなメリットでしょう。ここまで記載したサービスはすべて無料で、内定後にお金が請求されることもありません。転職エージェントへの報酬は、求人企業側がすべて負担する仕組みになっているためです。

転職エージェントを利用する際の注意点

私が転職活動で転職エージェントを利用してみて、実際に感じた注意点を5つ紹介します。このうち1つでもデメリットに思える要素がある場合は、転職エージェント以外の媒体利用をおすすめします。

キャリア相談はできない

「自分のやりたいことがわからないからキャリア相談に乗ってほしい」というノリで、転職エージェントは使えません。転職エージェントの仕事はあくまで職業紹介であり、やりたいことはすでに決まっている想定で話が進むからです。

転職エージェントに登録すると、すぐに担当者との面談が設けられるのですが、そこでは、「あなたは何をしたいのか?」が最初に聞かれます。「●●業界で▲▲職として働きたい」と答えると、その条件に合う求人をたくさん見繕ってくれて、気になる求人があればエントリーに進む流れです。「あなたは何をしたいのか?」に答えられないと何も進まないので、自分のやりたいことが決まっていない人は、それを明確にしてから、転職エージェントに相談しましょう

私の初めて転職活動では、やりたいこともない状態で転職エージェントに相談してしまったので、この質問に答えられず、相手はかなり困っていました(笑)

転職活動中のあらゆる行動を急かされている感じがする

転職エージェントを利用すると、かなりのスピード感をもって転職活動を進めることになります。なぜなら、転職エージェントには、求職者に対するサポート期間が存在しており(たとえばリクルートエージェントは3ヶ月)、求職者はこの期間内に内定を獲得することが求められるからです。

たとえば、求職者に求人を紹介した後は、「では3日以内にエントリーする企業を絞ってください」のように期限を切られますし、エントリー数が少ない場合は、「もっとエントリーしたほうがいいですよ」と言われます。また、たくさんの企業の選考を並行して進めるように勧められます。

転職活動に時間がかかってもいいから、選考は1社1社丁寧に進めたいという人は、転職エージェントを使わないほうがよいでしょう。この催促、人によっては全く気にならないかもしれませんが、私にとってはめちゃくちゃストレスでした。

大手企業の求人が大部分を占めている

転職エージェントが扱っているのは、上場企業や大手企業の求人がほとんどです。ベンチャー・スタートアップの求人はほぼありません。ベンチャー・スタートアップは、上場企業などほど中途採用エントリーが集まらないので、転職エージェントを使って求職者をふるいにかける必要がないのです。

実際、私が転職活動していたとき、転職エージェントに「ベンチャーに転職したいから、ベンチャーの求人を紹介してほしい」とお願いしたことがあるのですが、転職エージェント曰く「ベンチャーの求人は少ない」とのことで、メガベンチャーの求人しか紹介されませんでした。ベンチャー・スタートアップに転職したい人は、転職サイトやSNSを使いましょう。特に、GreenとWantedlyは、ベンチャー・スタートアップの求人が多く、おすすめです。

面接のフィードバックが一方通行

応募企業の面接選考を通過すると、転職エージェントからフィードバックを受けられるのですが、このフィードバックは求職者が一方的に話を聞く形になります。フィードバックのなかで気になる点があっても、深堀するのは難しいです。フィードバックとしては、以下のようなイメージになります。

エージェント
エージェント

応募企業は、●●さんのこの部分が良いと言っていました

求職者
求職者

はい、ありがとうございます

エージェント
エージェント

次の面接では、こんなところが重視されます

求職者
求職者

承知しました。ところで、応募企業が私を評価してくれたのは、具体的にどのやりとりからでしょうか?

エージェント
エージェント

・・・(沈黙)。それはおそらく~(推測)

要は、転職エージェントは、応募企業から聞いた内容しか求職者にフィードバックできません。反対に、転職エージェントを使わずにエントリーしていれば、応募企業と双方向のコミュニケーションで情報を得ることができます。

企業担当者
企業担当者

●●さんのこの部分が良いと思いました

求職者
求職者

具体的には何のやりとりから、そのように評価してくださったのですか?

企業担当者
企業担当者

~のやりとりからですね

求職者
求職者

ありがとうございます。反対に気になったところとかありますか?

企業担当者
企業担当者

それは~

ただ、ここが難しいのですが、転職エージェントを使わないと、そもそも面接のフィードバックを受けられないことがあります。そのため、細かい面接フィードバックを受けたいなら転職エージェントを使わないほうがよいとは言えません。以下の特性を考慮して、自分にマッチしていそうな方を選んでください。

転職エージェントを使う場合
どんな企業の面接でもフィードバックを受けられるが、情報粒度はやや粗い。

転職エージェントを使わない場合
応募企業によっては面接のフィードバックを受けられないこともあるが、フィードバックを受けられるときはガッツリ深堀できる。

転職エージェントと密なコミュニケーションが必要

転職エージェントを利用する場合は、転職エージェントとの密なコミュニケーションが求められます。たとえば、応募企業との面接が終わると、転職エージェントに電話をして、「面接の手ごたえはどうか」「どんな質問をされたか。その質問に対してどのように回答したか」「内定が出たらどうするか」などを報告する必要があります。なぜなら、転職エージェントは、その情報をもとに、応募企業に対して求職者を再アピールするためです。

転職エージェントを使うべき人と使うべきでない人の特徴

転職エージェントを利用するメリットとデメリットを踏まえて、転職エージェントを使うべき人と使うべきでない人の特徴をまとめます。

転職エージェントを使うべきでない人の特徴
・やりたいことが決まっていない人
・自分のペースで転職活動を進めたい人
・ベンチャー・スタートアップに転職したい人(メガベンチャーは除く)
・応募企業と直接やりとりしたい人

転職エージェントを使うべき人の特徴
上記「転職エージェントを使うべきでない人の特徴」を満たさず、かつ以下どちらかに当てはまる人
・初めて転職活動する人
・転職先の選択肢を広げたい人

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