基本的に、転職活動では転職エージェントは使ったほうがよいです。なぜなら、転職エージェントは企業のWebサイトや転職サイトで公開されていない求人を扱っており、自分に合う求人に出会う可能性を上げることができるためです。ただ当然、転職エージェントを使わないほうがよい人も存在します。転職エージェントを使うべきでない人が、転職エージェントに相談しても時間の無駄にしかなりません。
本記事では、私の体験談も交えながら、転職エージェントを使うべき人と使うべきでない人の特徴を説明します。
転職エージェントを使うべきでない人の特徴
転職エージェントを使うべきでない人の特徴を3つ紹介します。こちらの特徴に当てはまる人は、企業のホームページから直接応募したり、転職サイトを使ったりする形で、転職エージェントは使わず独力で転職活動を進めることを推奨します。
やりたいことが決まっていない人
やりたいことが決まっていない人・どんな仕事に就きたいかが明確ではない人は、転職エージェントを使うべきではありません。なぜなら、転職エージェントの仕事はあくまで職業紹介であり、キャリア相談ではないためです。
転職エージェントに登録すると、すぐに担当者との面談が設けられるのですが、そこでは、「あなたは何をしたいのか?」が最初に聞かれます。「●●業界で▲▲職として働きたい」と答えると、その条件に合う求人をたくさん見繕ってくれて、気になる求人があればエントリーに進む流れです。「あなたは何をしたいのか?」に答えられないと何も進まないので、自分のやりたいことが決まっていない人は、それを明確にしてから、転職エージェントに相談しましょう。
私の初めて転職活動では、やりたいこともない状態で転職エージェントに相談してしまったので、この質問に答えられず、相手はかなり困っていました…
転職したいけど、やりたいことが見つかっていない人は、以下の記事を参考にしてみてください。
自分のペースで転職活動を進めたい人
自分のペースで転職活動したい人は、転職エージェントは使わないほうがよいです。なぜなら、転職エージェントを使うと、転職活動中のあらゆる行動が急かされるからです。
転職エージェントには、求職者に対するサポート期間が存在しており(たとえばリクルートエージェントは3ヶ月)、転職エージェントはこの期間内に求職者が内定を獲得できるようにアクションします。たとえば、求職者に求人を紹介した後は、「3日以内にエントリーする企業を絞ってください」のように期限を切られますし、たくさんの企業の選考を並行して進めるように勧められます。
また、転職エージェントによっては、求職者向けWebサイトで「あなたと同業界で内定を獲得した人は、平均●社にエントリーしています。あなたがそれに届くまであと●件」みたいな表示をしています。転職エージェントの担当者は、この数字を目標にする形で求人を勧めてきます。たとえば、数社しかエントリーしていない場合、「他の人は平均20社エントリーしているので、もう少しエントリーしたほうがよいですよ」と言われます。
転職活動に時間がかかってもいいから、選考は1社1社丁寧に進めたいという人は、転職エージェントを使わないほうがよいでしょう。この催促、人によっては全く気にならないかもしれませんが、私にとってはめちゃくちゃストレスでした。
ベンチャー・スタートアップに転職したい人
ベンチャーやスタートアップに転職したい人は、転職エージェントは使わないほうがよいです。転職エージェントでは、上場企業や大手企業の求人は多いのですが、ベンチャー・スタートアップの求人はほぼありません。ベンチャー・スタートアップは、上場企業ほど中途採用エントリーが集まらないので、転職エージェントを使って求職者をふるいにかける必要がないのです。
実際、私が転職活動していたとき、転職エージェントに「ベンチャーに転職したいから、ベンチャーの求人を紹介してほしい」とお願いしたことがあるのですが、転職エージェント曰く「ベンチャーの求人は少ない」とのことで、メガベンチャーの求人しか紹介されませんでした。ベンチャー・スタートアップに転職したい人は、転職サイトやSNSを使いましょう。特に、GreenとWantedlyは、ベンチャー・スタートアップの求人が多く、おすすめです。
応募企業と直接やりとりしたい人
転職エージェントを介さず、応募企業と直接やりとりしたい人は、転職エージェントは使わないほうがよいです。転職エージェントを使うと、エントリー・選考書類の送付・面接の日程調整・面接のフィードバック・雇用待遇の交渉など、すべて転職エージェントに代行してもらえます。本来自分でやるべきことも代行してもらえるので、ありがたいことではあるのですが、それは裏を返すと、求職者は転職エージェントを通した情報しか得られなくなるということです。
その結果、応募企業と直接やりとりする場合は深堀できる情報が深堀できなくなります。たとえば、転職エージェント経由で応募した面接選考のフィードバックを受ける場合、以下のようなやり取りになります。
応募企業は、●●さんのこの部分が良いと言っていました
はい、ありがとうございます
次の面接では、こんなところが重視されます
承知しました。ところで、応募企業が私を評価してくれたのは、具体的にどのやりとりからでしょうか?
・・・(沈黙)。それはおそらく~(推測)
反対に、転職エージェントを使わずにエントリーしていれば、応募企業と双方向のコミュニケーションで情報を得ることができます。
●●さんのこの部分が良いと思いました
具体的には何のやりとりから、そのように評価してくださったのですか?
~のやりとりからですね
ありがとうございます。反対に気になったところとかありますか?
それは~
転職エージェントを使うべき人の特徴
前述の“転職エージェントを使うべきでない人の特徴”に当てはまらず、かつ下記の条件に当てはまる人は、転職エージェントを使ったほうがよいです。
初めて転職活動する人
初めての転職で、転職活動の進め方がわからない人は、転職エージェントに相談したほうがよいです。初めての転職活動では、履歴書や職務経歴書の書き方・面接作法など、わからないことだらけだと思いますが、転職エージェントに相談すると、転職活動の進め方や選考書類の書き方などのアドバイスをもらうことができます。
私が初めて転職活動をしたときは、転職エージェントに対して懐疑的な気持ち(「転職エージェントも商売でやってるんだから、彼らにとってカネになる求人を紹介してくるんだろうなぁ」みたいな)があったのですが、結果的には相談してよかったと思っています。
当時の私は、書類作成に謎の自信があり、独力で作成した履歴書・職務経歴書の完成度にも自信を持っていたのですが、転職エージェントの添削を受けてみたところ、かなりズタボロにされました。納得感しかない添削でしたし、その後書類選考で落とされることはほぼ無かったので、今振り返ると、最初の転職活動でエージェントに相談してよかったなと思います。
転職先の選択肢を広げたい人
自分の希望に合う求人と出会う可能性を高めたい人は、転職エージェントに相談したほうがよいです。なぜなら、転職エージェントは、企業のWebサイトや転職サイトで一般公開されていない求人(「非公開求人」といいます)を扱っているためです。
非公開求人には、転職エージェントを利用しないかぎり出会えません。非公開求人の件数は多く、転職エージェントが扱う求人の半分以上を占めています。転職先の選択肢を広げたい人は、一度転職エージェントに相談することをおすすめします。
転職エージェントを利用するメリット・デメリットについては、私の体験談も踏まえて、以下の記事にまとめているので、転職エージェントを利用するか迷っている人は、参考にしてください。